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2015年12月15日火曜日

テンプラニーリョ復習

白ワインより、赤ワインのブラインドテイスティングのほうが苦手です。シラーズとカベルネソーヴィニヨンなんてしょっちゅう間違えるし、そのうえ、かろうじて特徴をつかんでいると言えるのが5品種くらいしかない。その他のものが出てきたら、選択肢すら出てこない状態。

それでは寂しいので、特定品種を集中して飲んでみようと、まずはスペインの代表品種で、「早熟」という意味を持つ、テンプラニーリョを2本選んでみました。

1本目は、王道のペスケラ。以前レゼルバを飲んでいるのですが、今回はそれよりランクが1つ下のクリアンサ。スペインのワイン法では、熟成期間の長い順に、グランレゼルバ > レゼルバ > クリアンサと名称が変わります。階級はDO。

王道!って感じの見た目
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Tinto Pesquera Crianza (ティント・ペスケラ・クリアンサ)
産地: スペイン、リベラ・デル・ドゥエロ
生産者: Alejandro Fernandez
品種: テンプラニーリョ (ティントフィノ) 100%
アルコール度数: 13.5%
価格: 3000円程度
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色は濃いルビー色。香りは、温かい感じのスパイス、リコリス、なめし革、枯れ葉。香りは複雑だなー。タンニンはやはり強く、鉄っぽくもあるけれど、抜栓してしばらくたっているためか、わりと滑らか。後味は少しリコリス。イメージからかもしれないけれど、クラシックな味わいです。

もう1本は、モダンな造り。階級的にはDOより格下のVdTで、表面的にはテーブルワインなのですが、おそらく造り方と熟成期間が規定から外れるというだけで、ワイン自体の品質は高いと思われます。これは、いわゆるボルドースタイルなのかな。

このラベルの絵はどうなの...

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TRIDENTE Tempranillo (トリデンテ・テンプラニーリョ)
産地: スペイン、カスティーリャ イ レオン
生産者: Bodegas Tritón
品種: テンプラニーリョ (ティンタ・デ・トロ) 100%
アルコール度数: 15.5%
価格: 2300円程度
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色はやっぱり濃いルビー。香りは、甘い!リキュールのような、チョコレートのような、うっとりするような凝縮した香りがします。樽由来ですね。そして、こちらもスパイシー。

驚くべきは、そのアルコール度数の高さですが、味わってみても、その強さをひしひしと感じる甘みがあります。タンニンも強いのですが、若いのに渋さはなく、とても飲みやすい。最後に果実感とリコリス。


私の味覚は単純で、わりと新世界好きなので、トリデンテのほうが好みなのですが、抜栓してからの開き方や味の変わり方は、断然ペスケラのほうが複雑で面白いので、ゆっくり楽しみたいときにおすすめです。トリデンテはボルドースタイルなのかもしれないですが、ガツッとくるので、フランス的なクラシックな味わいが好きな人はペスケラのほうが向いているかも。

これでテンプラニーリョの特徴はつかめたんだろうか。タンニンは強いのに飲みやすいところと、リコリスっぽさが共通だった気もするけれど、どうなんだろー。


2015年11月26日木曜日

ヴィーノ ピノ グリージョ / チャールズ・スミス・ワインズ

久々に、テイスティングメモを。

私の好きな、アメリカ・ワシントン州のチャールズ・スミスです。
品種はピノグリージョ。

ブドウ品種にはシノニムと呼ばれるバリエーションがあります。同じ品種だけど、国や産地によって呼び方が異なる別名のこと。シラーとシラーズ (オーストラリア)、ピノノワールとシュペートブルグンダー (ドイツ) とかね。

フランス、アルザス地方の主要品種、ピノグリ。イタリアではピノグリージョと呼ばれています。この子はイタリアじゃなく、アメリカ・ワシントン州で作られていますが、ピノグリージョなんだそう。ボトルの裏には、"Fresh and pure, Italian inspired and locally produced" と書いてあります。

こちらのサイトでは、ピノグリとピノグリージョは全然違う味わいだぞ!ということがきちんと書かれています。ピノグリは重厚、ピノ・グリージョは軽やか。

アメリカで造られていますが、この子は軽やかな味わいということですね。


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ヴィーノ ピノ グリージョ
産地: ワシントン州、エンシェントレイクス
生産者: Charles Smith Wines
ヴィンテージ:  2013年
品種: ピノグリージョ 100%
アルコール度数: 12%
価格: 2300円くらい
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香りはすっきり。公式サイトには Fresh cut hay、刈りたての干し草とありますが(笑)、要は草...?草と言っても、ソーヴィニヨンブランのような青々した感じではなく、やはり刈った後と表現したい、立ち上るような独特の香りがあります。花や蜜の香りもある。

テイストは、酸味のなかに、ちらりと感じるピノグリらしい甘みと苦み。確かに軽快なんだけど、どこかひっかかる、エッジィな味わい。ミネラリーって言っていいのか、これ。

期待したような、濃ゆい、熟した感じのピノグリっぽさはないけれど、週末のブランチ (と言えば聞こえがいいが、要は昼酒) に気持ちよさそうな1本。

なんでいきなりピノグリかと言うと、先日、とあるお店で城戸ワイナリーのピノグリを飲む機会があったのですが、アロマティックかつフルーティでありつつ、肉にも負けないその濃さとねっとり感に衝撃を受け、ピノグリをいろいろと飲み比べてみたいなと思った次第。

 ここから、今年いっぱいはピノグリが続きます。コテコテのアルザス2本、ニュージーランド1本を買ってあるのですごく楽しみ。でも、濃すぎて飽きちゃうかなぁ。

2015年10月29日木曜日

「努力せずにワインジャーナリストになろう」最終回と続き

 この授業も9月に最終回を迎えたのですが、私の文章は拾い物の情報にもとづき、想像力を駆使して書いたため、該当するワイナリーのご迷惑になってはいけないと判断し、載せません。

 人数もほどほどの規模で、文才を発揮して授業を盛り上げてくれたクラスメイトたちのおかげで回を追うごとに楽しいクラスになりました。こういう化学反応はいいですね。日を改めて行った先生宅での打ち上げも盛り上がりました。

 で。10月期もちょっとだけ名前を変えて同じ内容のクラスを開講するということで、申し込んでしまいました。葉山先生は素晴らしい翻訳家でもいらっしゃいます。前回、翻訳をやっていっても見てくださるということでテキストだけはもらっているのですが、手を付けていませんでした。今期はそれにトライしようかなと!

 そして今期はもうひとつ、ブラインドテイスティングのクラスも取っています。これはチームに分かれて、ひたすらテイスティングを行い、品種と産地を当てていくという緊張感あふれるクラス。私はもうメイン品種もよく分からなくなっていて、みなさんのご意見を拝聴するだけで精一杯。ついていくのは諦め、「お!」と思ったものを家でも買って復習する予定です。クラス会 (授業後の飲み会) も全部ブラインドなんだって...レベル高すぎるよ...。

2015年9月13日日曜日

「努力せずにワインジャーナリストになろう」その5

放置ブログと化していますが、とりあえず授業の5回目分の課題をアップ。

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お散歩気分でワイナリーへ行こう!

 日本にも素晴らしいワイナリーがたくさんあることは、最近よく知られている。東京からも、山梨県や長野県など、地方のワイナリーを訪れたことのある人は多いはずだ。しかし、当たり前だが、ワイナリーの多くは広大なブドウ畑があるため、不便な場所にあるのが普通。車だとドライバーは試飲もできず、お子様と一緒にブドウジュースをすするしかない。
 
 そんな東京都民に朗報だ。東京にもワイナリーが立て続けに2軒もオープンしたのである。今回は、2014年に設立された東京初のワイナリー、その名も「東京ワイナリー」をご紹介したい。西武池袋線大泉学園駅から徒歩10分ほどの住宅街にあるこぢんまりとしたワイナリーで、今のところ自社畑はなく、ブドウはすべて信頼できる農家から買う。中を見学させてもらうと、除梗破砕機やステンレスタンクをはじめ、醸造設備はみな小さくて可愛らしい。訪れたときは、東京産の品種である「高尾」の仕込み中で、代表の越後屋美和さんが掲げる「東京の農産物のおいしさを、多くの人に伝える」という目標そのものがそこにあった。当日はイベントだったため、いくつか試飲できたのだが、シュールリーのシャルドネ、ナイアガラ、スチューベン、そしてできたてでまだ瓶詰めしていない藤稔など、どれもフレッシュでキュートな味わい。実はすぐに人気が出て、市場ではワインをなかなか手に入れられないのが残念だが、こまめに訪れればワイナリーで購入できるチャンスはある。散歩の途中にフラリと立ち寄る感じで、ぜひ東京の小さなワイナリーを訪れてみてほしい。

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外観。のどかな練馬の住宅街にあります。
 

当日の試飲ラインナップと、おみやげの東京産野菜。

(追記: 右端は練馬産ブルーベリーのお酒。ワイン以外ではキウイ酒やシードルなんかも造っています。ワイン以外のお酒も造っているのは、好みというのも大きいでしょうが、酒類製造免許を維持するためには、果実酒の場合、年間6000リットル製造しないといけないというのも多分にあるだろうと思います。750ml瓶だと8000本だもんね... ブドウを確保するのも大変。)

東京ワイナリー:
http://www.wine.tokyo.jp/

公式Facebookページ:
https://www.facebook.com/tokyowinery

去年のクラウドファンディングのページ:
https://www.makuake.com/project/tokyowinery/
今年はもっと値段を下げて広く年間会員を募集すると知り、さっそく応募。また行けるのが楽しみです。

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葉山先生からは、「次は行ったことのないワイナリーを資料と想像力だけで書いてみればどうでしょう」というお言葉をいただいたので、そうする予定。

書く才能...というか、コンスタントに書き続ける能力(何かを続ける能力全般と言っていいかもしれないけど)に欠けるなとしみじみ感じています。自分でも楽しみながら書き続けたい。



そういえば、ワインの呼称資格試験の季節。早いなぁ。あれからもう1年。

8月に1次試験が終わり、今年は2次試験まで2か月あるそうです。去年みたく4週間しかないのも辛かったですが、2か月という長期間、体調と気持ちを管理するのは大変だと思います。受験生のみなさま、がんばってください。

2015年7月22日水曜日

「努力せずにワインジャーナリストになろう」その4

このクラスも、もう4回目となりました。
クラスの雰囲気がどんどん良くなり、そしてみんな書くのが楽しくなっています。
「来期も取りたいなー」という人も。私もです!

前回は女性誌にチャレンジしましたが、今回は男性誌に挑戦。
もう極端なのいっちゃいます!

「LEON」
そうです、テーマは「モテるオヤジ」一択のあの雑誌です。

もちろんその前に、どのような雑誌かをリサーチするために買ってみました。

1. 基本、ですます調である
2. 「モテるオヤジ」という言葉が登場しない特集記事がない
3. なぜかハートマーク多用
4. カタカナ成分多めだが、昭和な言葉遣いも欠かさない

ジローラモさんやその他の「濃ゆい」モテ系おじさんが、お人形さんのような若いモデルさんと手をつないだり、抱っこしたり、やりたい放題のパラダイスな誌面。

そこで、畏れ多くもそこに書く体で、日本ワインを合わせて書いてみました。

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モテるオヤジが腕をふるう手料理。合わせるのはキリリと「甲州」!
 

キメもハズシもお手のもの。ビシッとスーツでエスコートし、夜な夜なBARラウンジでグラスを傾けるのが日常なら、たまには自宅で手料理を振る舞いながら1杯飲む非日常もいいではありませんか。ほんの少し凝った男の料理には、さりげなく華を添えてくれるワインが必要。自己主張の激しいグランヴァンはあえてのお休み。今宵は、優秀な執事のようにきっちり仕事をしてくれる日本の白ワイン品種、甲州に登場をお願いしましょう。 

今の旬は、なんといっても鮎。シンプルな塩焼きでも十分サマになるのがうれしい。鮎といえば独特の苦味がありますが、甲州の特徴もほのかな苦味。特にオリと一緒に熟成させるシュールリー(オリの上の意)という製法を使って味に複雑さを出すのが一般的であり、苦味との相性がよいのです。たとえば「シャトー・メルシャン 山梨勝沼甲州」なら、カボスやすだちのようなスッキリ感と、程よい渋みとミネラルが鮎の魅力を引き立ててくれます。 

「甲州は香りに乏しくてロマンに欠けるから、ちょっとね」という御仁もいらっしゃるかと。そんなあなたにはこれ、「アルガブランカ ビニャル イセハラ」。ちょいとレアなところもオヤジのヨコシマな心をくすぐりますが、驚くべきはその香り。グラスに注ぐと、グレープフルーツのようなアロマが立ち上ってきます。酸もフレッシュ。さらに旨味も感じるので、天ぷらなんていかがですか。特に小柱のかき揚げなど、魚介類とのマリアージュが最高。余韻も長く、思わず2人で顔を見合わせて微笑むような時間が待っています。
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正直、雑誌を読んでいると「うわ....」しか感想がなかったのですが、個性が強いものって書いてみると楽しいもんですね。モテるためにどうするかという記事しかない潔さにも心を動かされ、モテ系オヤジを追求したくなっています。そこまでモテる必要があるのか甚だ疑問ですが。クラスメイトの男性からは、「男のハーレクインロマンスじゃないですかね」と言われました。


葉山先生が華麗なオチをつけてくださったんですが、ハードコピーしかないので、またいずれ公開したいと思います。

2015年7月1日水曜日

「努力せずにワインジャーナリストになろう」その3

(長文です)

1か月はあっという間に過ぎ、また授業の日がやってくる。

引き続き日本ワインをテーマにしつつ、想定媒体は女性誌に変えてみることに。いくつか雑誌を買って検討してみたのですが、「女性の名前がついた薄い雑誌」に決めました。

まずは文体をチェック。常体なのか敬体なのかもわかりづらい。ひとつには、体言止めや形容詞の言い切りが異様に多いから、というのがあります。んー、よし、それで押し切ることにしよう。

今回は品種推しにしたい。はじめは甲州でしょ、ということは頭にあるものの、ここ数か月甲州をまったく飲んでいないことに気づき、それは次回に回すことに。では、取り上げるのは、やっぱり赤の代表、マスカットベーリーAです。

甲州よりは飲んでいるものの、品種としては苦手な部類に入るマスカットベーリーA。意地になって挑戦しているような気もするけど、これをいかに売り込む文章にできるかやってみよう。

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ふだんごはんをチャーミングに!日本ワインなら、マスカットベーリーAはいかが?


国産のブドウで造る日本ワイン。白ワイン用のブドウ品種では甲州が有名ですが、赤ワイン用の品種もちゃんとあるんです!その代表選手が、マスカットベーリーA。「日本ワインの父」と呼ばれる川上善兵衛氏が、昭和の初めに日本の風土や食生活に合わせて交配しました。いちごやザクロを思わせる華やかな香り。辛口でも、ほのぼのとした甘酸っぱさを感じるフレーバーが特徴。ワイン初心者から上級者まで親しめるキュートな味わいです。そのうえ、しょうゆやみりんを使った家庭料理との相性が抜群なのもうれしいところ。

大手ワインメーカーから販売されている、手に入りやすく、お値段も手頃なラインナップを飲み比べるのも楽しい。サントリーから出ているのは、やわらかな口当たりが特徴の「ジャパンプレミアム マスカットベーリーA」と、ほんのり甘いロゼワインの「マスカットベーリーA ロゼ」。シャトーメルシャンからは、赤ワインの「穂坂マスカットベーリーA」と、ロゼのスパークリングワインに仕立てた「穂坂のあわ」をどうぞ。華やかなロゼのスパークリングワインは、普段使いはもちろん、お花見や女子会にもぴったり。

少しマニアックな1本が飲みたい人は、山梨県甲州市のワイナリー、ダイヤモンド酒造の「ますかっとベリーA Y3 cube (ワイキューブ)」をぜひ味わってみて。品種のチャーミングな魅力を存分に発揮しつつ、ボリュームのある料理にも負けない骨太の味わいに、マスカットベーリーAを飲み慣れた人でも驚くはず。
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今回、葉山先生は「良くないところはビシっと言っちゃいましょう!」というスタンス(笑)
私もクラスメートから改善点をいくつかいただきました。

- 「ふだんごはん」というなら、全部じゃなくていいけれど具体的に合うメニューを載せてほしい。
→ 痛いところですね。料理とのマリアージュを判断するのが苦手なのと、大手のやつは飲んだことないという...。インチキですわ。

- 川上善兵衛うんぬんは不要。
→ 女性向け雑誌ということで、うんちくは不要。

- 比喩を入れると奥行きが出るのでは。
→ 確かにその通り。引き出し少ない。

- ミステリアスなエッセンスがほしい。
→ ワインはロマンですからね。

やっぱり、自分が苦手なところを続々と指摘されるものです。それにしても、自分で書いてみると全然書けなくて、意に沿わないものでも書けちゃうプロのライターさんってすごいと思いました。

そして、先生が書き直してくださったバージョンがこちら。

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ふだんごはんをチャーミングに!日本ワインなら、マスカットベーリーAはいかが?

今、オシャレ女子は、国産のブドウで造る日本ワインに注目しています。白ワイン用のブドウ品種では甲州が有名ですが、赤ワイン用の品種もちゃんとあるんです!その代表選手が、マスカットベーリーA。「日本ワインの父」と呼ばれる川上善兵衛が、昭和の初めに日本の風土や食生活に合わせ交配しました(大富豪だったのに、ワインと葡萄の品種改良のため家財をなげうったそうです)。

マスカットベーリーAには、いちごやザクロを思わせる華やかな香りがあります。辛口でも、ほのぼのとした甘酸っぱさを感じるフレーバーが特徴。3月に大学を卒業して4月から女子高の先生になった新任の女性みたいなワインですね。ワイン初心者から上級者まで親しめるキュートな味わいです。その上、醤油や味醂を使った家庭料理との相性が抜群なのもうれしいところ。

大手ワインメーカーから販売されていて手に入りやすく、お値段も手頃なラインナップを飲み比べるのも楽しい。

サントリーから出ているのは、やわらかな口当たりで、音大ピアノ科を卒業して着任した音楽の先生的な「ジャパンプレミアム マスカットベーリーA」と、ほんのり甘くて、ピカソが大好きな美術の先生みたいな「マスカットベーリーA ロゼ」。シャトーメルシャンからは、毎朝、日経新聞を読んでいそうな世界史の先生みたいにかっちりした赤ワインに仕上げた「穂坂マスカットベーリーA」と、『JJ』から抜け出たようにスタイリッシュな英語の先生風のスパークリング・ロゼワインの「穂坂のあわ」をどうぞ。華やかなロゼのスパークリングワインは、普段使いはもちろん、お花見や女子会にもぴったり。

少しマニアックな1本が飲みたい人は、山梨県甲州市のワイナリー、ダイヤモンド酒造の「ますかっとベリーA Y3 cube (ワイキューブ)」をぜひ味わってみて。ペンシルスカートが官能的で大人の魅力が満載の物理の先生みたいで、品種のチャーミングな魅力を存分に発揮しつつ、ボリュームのある料理にも負けない骨太の味わいに、マスカットベーリーAを飲み慣れた人でも驚くはず。

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女性向け雑誌でワインを女性に例えるのは果たして効果的なのかはわかりませんが(笑)、やはり葉山節炸裂のステキな文章に生まれ変わりました。全員にdancyuクオリティの添削をされるわけですから、来てよかったなーと思うわけです。先生からは、本当に書くこと自体がお好きなんだなというパワーが伝わってきます。

ちなみに今回のワインで特筆すべきだったのは、ドメーヌ・レアンドル・シュヴァリエのブラン・ド・ノワール。なんと、カベルネソーヴィニヨンの白ワインですよ!最初、ビオのソーヴィニヨンブランかと思いました。クオリティが高い白ワインだけど、誰得!?  意外性抜群だから、ワイン会向きですね。
真ん中のやつ。左はメドック格付2級。
 (あ、調べたら生産者が来日してたんですね。)

授業後の飲み会で先生の前に座って緊張していたのですが、しばらく時間がたって酔っ払ってしまい、目があったときに思わず「今日、誕生日なんです...」と口を滑らせてしまいました。

すると、先生がダッシュでシャンパーニュを調達してくださるという身に余る幸せが!うわあああ恐縮。クラスメートからもお祝いの歌や言葉をいただき、本当にハッピーデイになりました。果報者。

ふだん、親しい人にしか「お誕生日おめでとう」と言わないし、自分の誕生日も伝えないようにしているので、こういう即興のお祝いって経験したことがほとんどないんですよね。なんか嬉しいなぁと素直に思って、みなさんに感謝しました。
シャンパーニュのワイヤーに
ろうそくをつけてもらって吹き消しました
本当にありがとうございました!順番にお祝いできるといいなー。

...そして、次回は甲州で男性誌にチャレンジかな!

2015年6月25日木曜日

WSET Level 3 (2): 栽培環境 (The Growing Environment) その2

続きです。

Precipitation
「降雨量」、「降水量」の意。
ブドウ栽培に適した年間降雨量は500~900mm (受験では「ん雨水」という語呂合わせで覚えます(笑) )。

ちなみに東京は年平均1500mm程度。日本のワイン産地は、山形と山梨が約1100、長野と北海道が約850で、やはり日本の中でも雨が少ない。でも、ダントツ1位の宮崎(約2800)、2位の熊本(約2300)でもおいしいワインが造られているのです。雨なんてどうやって防げばいいのやら。相当のご苦労があるのだろうな...。
(数字は気象庁のデータを基にしたというこちらを参照しています)

Irrigation
「灌漑(かんがい)」
ブドウは乾燥した土地を好みますが、限度があります。

アメリカ・ワシントン州のワインについて調べたときに、灌漑について具体的なことを初めて知りました。ワシントン州の内陸部は年間200mm程度しか雨が降らないカラッカラな土地なので、灌漑が必要なんですね。今はDrip Irrigation (点滴灌漑)で、「スプーン1杯」みたいな微妙な水分量でも制御可能。

WSETのテキストによると、点滴灌漑は、木1本1本にドリッパーが備えられ、コンピュータ制御で理想の水分量が保てるという、高価で高度な技術らしい。

ちなみに、伝統的な産地では、(昔の名残からか)法律で灌漑が禁止されています。

Terroir
「テロワール」は英語でもテロワールなんですね。「テロワールが...」って言うとちょっと通っぽくはなりますが、ではテロワールとはいったい何なのか。テキストでは、ワインにその土地ならではという印象を与える環境上の要素全体を意味するとなっています。狭義では、一定の気象条件下の異なる土壌から生まれる違いを指すそうですが、もっと一般的には、畑の向き、斜面、気候、品種といった要素がからみ合って生み出す効果や影響を指します。私自身は「ブドウが育つ土壌・環境」くらいの理解です、はい。

Lees Stirring
Leesは「オリ」、Stirは「かき混ぜる」、つまりバトナージュ(bâtonage)のことかな?
オリって英語ではLeesって言うんだ。フランス語ではLieですね。シュールリーのLie。

わたくし、フランス語は全然ダメですが、日本でワインを勉強する場合、ワイン用語は大体フランス語です。

次回は、Vineyard Management (ブドウ畑の管理)に進みます。