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2014年11月27日木曜日

甲州+ソーヴィニヨン・ブラン プライベート リザーブ

都農ワインを愛している。

というのも、最初に「おいしいな」って思ったワインが、お友だちから何かのお礼にプレゼントされた都農ワインのキャンベルアーリーだったから。初恋のワイン。

大体初恋というのは、後々ガッカリするもの。でも、都農さんは全然裏切らない。どう造ってもシャルドネうまいよ!というわけで、いつまでも愛し続ける永遠の恋人。

彼が甲州をリリースしたと耳にして、飲みたいなーと思っていたのです。甲州というのは日本固有の品種ではあるけれど、ぶっちゃけイコール山梨の品種。それを南国宮崎で作るなんて....。どんな味がするんだろ。しかもソーヴィニヨンブランとの混醸もだよ。

でも最近ほかの日本ワインに貢ぎすぎ、この甲州については忘れたふりをしておりました。
しかし。
日本ワインガイドのFacebookページの記事を見て、「うわわわわ」と。もうふらふらっとポチってしまいました。

今日届いたこのコたち。はじめまして。
甲州100%と、甲州+SBの混醸

日本ワインガイドでイチオシという甲州+ソーヴィニヨンブランを開けてみました。

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甲州+ソーヴィニヨン・ブラン プライベート リザーブ
産地: 宮崎県
生産者: 都農ワイン
ヴィンテージ:  2012
品種: 甲州 50%、ソーヴィニヨンブラン 50%
アルコール度数: 11%
価格: 2880円
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色は濃い麦わら色。ここからして、「?!」という感じ。甲州やソーヴィニヨンブランって淡いイメージなんだ。落ち着け私、樽だから。

香りは、私の貧弱なボキャブラリーでは「たくあん?」と思ったけど (笑)、上のリンクでは「樽の風味とカラメルを思わせる香りが溶け合っています」ときちんと表現されている。冷たいうちからこの個性的な香りが押されんばかりに漂ってくる。すっごくクリーミー。でも樽々した感じではないのです。

飲んでみると、まったりして、やっぱりクリーミー。樽をかけていると言っても、甲州とソーヴィニヨンブランでこんな感想は変な気がする。私の知っている甲州でもソーヴィニヨンブランでもない。トロピカルな果実味が迫る。南国の果物って、たまに変なやついるやん?食べるとすっごいおいしいんやけど。ああいう感じ。

新しい生き物が誕生したよ!

試験対策で6大品種ばかり飲んでいたせいか、味覚が保守的になってたのかも。こういう「南国宮崎で、都農で、甲州で」って想像できる範囲から逸脱しまくった驚きが久しぶり。

あなたが初恋の人でよかった。これからも愛してる。

2014年11月18日火曜日

熊本で日本ワイン

熊本旅行に行きました。

その前の週に咳喘息にかかったのと胃腸の調子がすごく悪かったので、タイミングとしては最悪だったのですが、結果的に偶然の出会いに浮かれた旅行となりました。

もちろん、熊本ワインは旅程に入っています。

熊本ワインは、受賞歴もある菊鹿シャルドネで有名です。調べると結構中心地から近い。普通、ワイナリーというのは畑の近くにあることが多いので、アクセスの良いところにはありません (最近、北海道や大阪に醸造所が便利な場所にあるワイナリーもできていますが)。

行ってみて分かりました。フードパル熊本という第三セクター的な食品工業団地の一部なんですね。観光客向けという。
 
熊本ワインは私企業ですが


三セク臭漂う場内
熊本ワインは契約農家からブドウを買い付けて、この施設で醸造しています。
ガラス越しに見学もできます。
ステンレスタンク

試飲に期待していたのですが、菊鹿シリーズは飲めませんでした。観光に来る人に飲ませてたらキリがないということなのかもしれないですが、有料でも飲んでから買いたかった。

しかしお楽しみは、店員のお姉さんとの念入りな会話。その上で、納得するお買い物ができました。日本ワインが好き!とか、東京から来たと言うと、東京のおすすめのお店を教えてくださいました (絶対行こ)。そして、「実は熊本にも日本ワインをたくさん置いている店があるんですよー」とカードをくれたんですね。東京から訪れた有名なワインジャーナリストの方も驚くほどの品揃えとか。「うおー!それは行ってみたいなー、会食終わった後に1人でちょろっと行けるかしら?」とカードを見てたんですよね。

そして夕ごはん。知人が予約したお店に連れて行かれたんですが、びっくり!そのカードのお店だったんです。知人はワインを全く知らない人なのですが、私がワインが好きというので本で目についたこのお店を予約してくれていたらしい (ちなみに熊本市内はワインバーと名のつくところは他にも結構あったので余計に)。なんという偶然。感謝です。

お店の名は「瑠璃庵

こだわりの日本酒もたくさん置いてあるお店なのですが、ワイン好きとしてはもう入り口にたどり着く前に並んでいる空き瓶が城戸だのたこシャン大瓶だの、心臓がバクバクするデコレーション(笑)。

お店に入ってからも、お目々キラキラでお店のお兄さんたちに (迷惑を顧みず) 話しかける!だってワインリストがすごいんだもの。賞賛せずにはいられないんだもの。東京のワインバーではもうとっくに姿を消した日本ワインがキラ星のように並んでいる。

残念ながら今回はボトルを開けられないので、グラスワインオンリーだったのだけど、それも菊鹿7種とその他日本全国の「おっ」というワインが14種というセレクション。菊鹿はもう買ったので、それ以外のコたちを堪能しました。

まずは滋賀のヒトミワイナリーの微発泡。デラウェアで、スッキリしていて飲みやすい。

次は、東京初のワイナリーとして最近話題の東京ワイナリー。熊本で初東京ワイナリー(笑)。
シャルドネ。東京ワイナリーなので、当然今年仕込んだ新酒中の新酒なんだけど、シャルドネらしいしっかりした味。いいなぁ。来年はお手伝いに行きたい。
やっぱり馬刺し。とろけますw

同席者が頼んだ小布施ワイナリーのりんごジュース。
おいしいの。
お料理はコースでした。どれも繊細で驚きのある和食。滋味あふれる日本ワインに合う。

私があまりにも食いつくので、お店の方が秘蔵のワインを出してきてくださいました。ワイナリーから直にもらった非売品ということで、ここではそれが何かを明かすことはできないのですが、私の好きなワイナリーの挑戦的な品種でした。感激して味に補正がかかっているのですが、冷静に飲むと、おそらく100%のセパージュでリリースしないっていう判断はきっと正しかったと思うし (すごい生意気だけど...。なぜそう思ったかを書くと品種が分かってしまう...)、オーナーが納得される味になって100%でリリースされたあかつきには絶対飲みながら泣いちゃう。

次はヴィンテージファームという山梨の新しいワイナリーのファーストヴィンテージという天恵富士。
左は大阪のフジマル醸造所のMBA


ヤマブドウの交配品種、「天恵の雫」「富士の雫」という聞いたことのない品種の赤ワインということで試してみました。ヤマブドウ、野性味があって好きなんだよなー。これはおいしい。渋みもしっかりあるけれど若々しくて上品に野性的。

そして最後は白に戻る。
長野県のヴォータノワインの洗馬ビアンコ。セパージュは、ケルナーとシャルドネ。ヴォータノワイン、不勉強で知りませんでした。いろいろと調べてみると、なかなかユニークなエピソードが出てくるワイナリーです。

ケルナーはトロリンガーとリースリングを交配させたドイツ系品種で、北海道でよく栽培されていますが、個人的に酸味がしっかりしすぎているのであんまり進んで飲まないかな。

これは、青リンゴのような風味とさわやかな飲み心地。酸っぱすぎず、単調にならず、丁度いい味のバランスなのです。シャルドネと相性がいいのかな。

ちょいと休憩でセラーの前を通ったら、垂涎モノのワインがズラッと並んでいて、思わず立ち止まる。次に席を立ったときもうっとりと見ていたのですが、あまりにもべったり見ているので、お店の方が「....中も見ますか?」と聞いてくださいました。さすがに遠慮したのですが、後から考えるともったいないことをした。見ているだけで幸せになるコレクションだった。

2回目に通ると、さっきはあった仲村わいんの「大阪メルロー」がなくなっている。「おいしいですか?」とお店の方に聞いたら「本当においしいです」とのお答え。そりゃそうだろうなー。ウチにある1本、開けるのが楽しみすぎる。

ワインはもちろん楽しんで「おいしい!」って思って飲むのが一番なんだけど、お店の方が一つ一つ人脈と信用を築いて集めたワインの意味を感じながら飲める幸せよ。
「ちとイラツく語る野郎」(by もやしもん) にならないように、お店の方にご迷惑をかけないように、とは思うのですが、こうやって知らないことを教えていただいたり、知っていることを共有しながらお店で飲めるというのは、お勉強の賜物。こういう幸せのためにお勉強はあるのです (笑)。

また熊本に行けるかなぁ。行きたいわー。

レア路面電車に乗れたー

2014年11月10日月曜日

ますかっとべーりーA PLUS

おかしな仕事を引きずっていたことと、自分の体調が優れないことですごくモヤモヤした気分の本日。

過剰気味の仕事を終わらせ、このままじゃ眠れないけど、重いやつも飲めないなー、でもおいしいのが飲みたいの、という本日。

ぴったりのヒトがいました!



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ますかっとべーりーA PLUS CHANTER igrek a de Hosaka
産地: 山梨県
生産者: ダイヤモンド酒造
ヴィンテージ:  2012
品種: マスカットベーリーA 100%
アルコール度数: 12.5%
価格: 2000円ちょっと
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マスカットベーリーAというのは、日本を代表する、日本オリジナルの黒ブドウ品種です。ソムリエ等の試験では、日本ワインブームに乗って今年こそはマスカットベーリーAがテイスティングに出るんじゃないかと毎回言われています。

でも、なんかこう、甘くないのに甘ったるいというか、途中で飲み飽きちゃうんですね。ワインが好きになればなるほど、敬遠しちゃうかわいそうな品種ではないかと。

しかしこれ。以前春風駘蕩でこのY3 Cubeを飲ませていただいたことがあるのですが、びっくりする味でした。マダムも「初めてマスカットベーリーAを飲む人には、これが典型だと思っちゃいけないと言っています」とおっしゃっていたほど。
残念ながらY3はなかったのですが、Plusが酒屋さんにあったので、即購入。マスカットベーリーAでもう一度飲みたいなって思ったことなかったので、特別な思いがある。

色は濃いローズピンク。すごく可愛らしい。
香りはやっぱりキャンディのような甘い、MBA特有の香り。しかし、どこからか果皮の渋みのような感じもする。
味は、フルーティ。渋みはややあり、深みもあります。同時に軽さもある。そして、時間が経つとMBAの臭みもありつつ、このおいしさってなんだろう。表現できない自分がつらい。これ、しょうゆっぽいのかもね。酔ってるから話半分なんですが。

うーん、すみません、もう一回Y Cube飲んで出直したい!

2014年11月8日土曜日

ブドウバッジと認定証と検定講師

日本ソムリエ協会に2万円を収めたため、バッジと認定証が送られてきました。

私のような一般人にこれを付ける機会はあるのだろうかという疑問はひとまずもふたまずも脇に置き、身を引き締めてワインをたしなみ、また、ワインを知らない人にその魅力をお伝えする「ワインアンバサダー」(by 紫貴あき先生) となれるよう、地道に酒道に取り組んでまいりたいと思っています、はい。

無くさないようにしないと。

ついでに、「ワイン検定講師のご案内」というチラシも同梱されています。

ワインエキスパート有資格者のあなたは、「ワイン検定」の講師になれちゃいます!というご案内。

この検定自体は、ワインに興味があるビギナー向けのベーシックな内容だそうです。知らんかった。もちろん、講師になれば講師料が支払われるわけですが、その前に講師になるための上納金が必要です。具体的には、ソムリエ協会会員になる費用 (入会金 ¥10,000 + 年会費 ¥15,000) と、講師認定セミナー料 (¥4,115)。

これは「エキスパート資格持ってて何になるの?」と思っている人の受け皿なんでしょうが、私のように歪んだ者は、金づるを離さないぞ!という協会の心意気をわずかに感じ、生暖かい気持ちになるね。ワインスクールの講師になりたい人には、いい練習になると思いますが。

私はというと、人前でしゃべるなど苦痛でしかないのですが、それでも「ちょっとだけワインを知って、今より楽しくワインを飲みたい」という人向けにベーシック品種のワイン会をやってみたいなと思っていて、来年前半の目標としました。まずはお友達から。

話は飛ぶのですが、最後に、受験を申し込むときから気になっていたこと。

女性の資格者は、敬称が Miss と Mrs. からしか選べません。認定証にもそこで選んだ敬称で名前が英語表記されています。今どき Ms を選択肢に載せてないって、インターナショナルな飲料であるワインを取り扱う協会として感覚が遅れすぎです。Ms ではいけない理由や歴史的な背景があるのでしょうか。

【おまけ】今週手に入れたワイン。


 
小布施ワイナリーのデゴルジュマン・ラテ Gと、仲村わいん工房の大阪メルロー。
仲村わいん工房は、このほか、花カベルネソーヴィニヨンと、リースリングの蝶白というややレアものを買ってきました。大阪でリースリング栽培しているのかー。飲むのが楽しみ。
年末にかけて、イセハラやボーペイサージュなど、レアな日本ワインの発売が続くんだよなー。お金ないーーー

2014年11月5日水曜日

ソッガ シャルドネ ノンボワゼ


ミラクルムーンが見えない。曇ってる。
もういいよ、仕事も終わったし、1杯のも。

最近、自分がどうワインを飲むべきかかなり迷っていて、普段飲みのワインを買えてなかったんですよね。
そこで、もう買ったことすら忘れていたこちらのワインが冷蔵庫で眠っていたので、開けてみました。

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Sogga Nagano Chardonnay NON BOISE
産地: 長野県
生産者: 小布施ワイナリー
ヴィンテージ:  2012
品種: シャルドネ 100%
アルコール度数: 12%
価格: 失念。でも2000円前後だったのではないかと。
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たぶんこのオーディネールと比べて飲もうと思って買ったんじゃないかと思う。

裏ラベルによると、ノンボワゼとは、「樽熟成由来の樽の香りのない」という意味のフランス語だそう。
普通、シャルドネ種は木樽熟成し、樽のニュアンスを効かせた味わいになる。ただ、ブルゴーニュのシャブリなど、一部では樽をかけず、酸味やミネラルの味を大事にしたシャルドネも存在。このこも、ジェラール・ブリヤン氏の「シャブリ ムトンヌ」をめざしたと書かれています。

色は淡いグリーン。
香りは、ミネラル、火打ち石、イーストっぽいのかな、パンみたいな香りも。樽じゃないのに!
(シュールリーで造っているそうなので当然ですが、シャルドネでシュールリーって普通なんですかね?楽しい!)

味は、シャブリと比べて酸味があまりなく、とってもミルキーでクリーミー。樽なしでこの味わいなのか....。さっぱりしているとは言えないけれど、ただ、それほど濃くないので、和食の出汁の味に合うのではないでしょうか。私は好き。おつまみなくてもぐびぐび飲めちゃう (あかんがな)、飲み疲れない優しい味。


さてさて、シャルドネは、個性のないのが個性と言われる品種です。
私の周りでは、ワインを知れば知るほど樽々したシャルドネが嫌いになる、うっとうしいという人が少なからずいるんだけど、私はそんなシャルドネが大好き。すっぴんでは個性がないと言われてお化粧してみたんだけど、やりすぎって言われちゃうなんてかわいそう!
私はそんな、つけまつげバサバサの旨安シャルドネも愛してるよー。