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2014年10月16日木曜日

シャンドン・ブリュット

疲れていて、珍しく食欲がない。
ワインもセラーの在庫一掃って感じで、新しいものを開けても (そこそこおいしいんだけど) 気分が上がらない。

....泡が飲みたい。
そうだ、私は泡が飲みたいんだっ!ガツンとくるやつ!!
季節がそろそろ冬っぽくなってきたなんて関係ない!泡持ってこい!

持ってこいって言っても誰も持ってきてくれないので、てくてく買いにでかけました。

近所の酒屋さんは日本ワインが充実しているのですが、今回はゆるいものを飲みたくなかったので選んだのがこれ。

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Chandon Brut (シャンドン・ブリュット)
産地: オーストラリア、ヴィクトリア州 (ヤラ・ヴァレー)
生産者: Moet & Chandon
ヴィンテージ:  NV
品種: シャルドネ 60%、ピノノワール 40%
アルコール度数: 12%
価格: 1700円
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モエ・エ・シャンドン社がオーストラリアのヤラ・ヴァレーで造っているスパークリングワイン。お財布にもやさしい。

ラベルにもメトード・トラディショナルと書いてありますが、瓶内二次発酵のシャンパーニュと同じ造り (と思われる)。

泡はキメ細かい。それにとってもクリーミーでおいしいんだけど、なんか違う。
私は、もっとガツガツくるのに上品って感じのが飲みたかったんだ。

おそらく、今までどこかで飲ませていただいたシャンパーニュの味が知らず知らずのうちに基準になってきているんだな。飲んだときは「うわー、強すぎる」と思ったりしてたけれど。やっぱり本当にいいものはすごいんだね。

ちなみにモエもあまり飲んでないので、本物がこういう優しめの味なのかどうかも分かってない。

ところで。
モエを見ると、Killer Queenが脳内再生されるのは私だけ?



Queenを教えてくれたのは高校の英語の先生だった。先生元気かな。
私が翻訳者になっていることを知ったら、すごく喜んでくれると思うんだ。





2014年10月6日月曜日

ワインエキスパート試験のあれこれ 6 (終): 雑感、そしてシェリー・コンドリュー

合格速報が出た10月3日に、一人で祝杯を上げました。
1年半くらい前に買った、コンドリューのヴィオニエ。

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Chery Condrieu
産地: フランス、コートデュローヌ地方
生産者: Andre Perret
ヴィンテージ: 2009年
品種: ヴィオニエ 100%
アルコール度数: 15%
価格: 6000円程度 (購入当時。今調べるともう少し高い)
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コンドリューは、北部ローヌの北の方にある産地。ヴィオニエというかぐわしい品種で有名です。


色は黄金色。写真からではわからないけど、キラキラ輝いています。
香りは、バラ、キンモクセイ、アプリコット、桃、バニラ。華やかな香りながら、とても上品。

味は、ネクターっぽい濃厚さが迫ってくるけど、ダラっとしていない。
ハチミツのようなまったり感があるのに、後味がほのかにミントっぽく、すっきり終わります。すごい。

アルコール度数は15%。白にしてはアルコール度数が高い品種です。

ワインエキスパートとなった今、これからどうワインを飲んでいけばいいのかな?とちょっぴり考えておりました。
友達や仲間と楽しく飲むのはこれからも続けたいけれど、自分ひとりで飲むときは、もう少し値段が上のものを少しずつ飲むように心がけようかな。こういう、私にはちょいとお高いワインを飲むと、いつも飲んでいるものとは明らかに違って洗練されているのに、それを表現できる経験と感覚と言葉を持ち合わせていないこのもどかしさが寂しくなります。旨安ワインも、ビオワインも大好きなんだけど、少し減らして (酒量も抑え)、その分やや高価なワインを買おう。

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唐突に試験の総括をしちゃうのですが。

試験を受けた動機は、スクールのワインコース、STEP 1と2を受けて、とても楽しかったのだけど、やっぱり楽しさ優先で、このままでは忘れてもったいないことになってしまう、と思ったこと。こういうときに資格試験というのは、包括的に効率よく勉強できる機会となります。これは、本当にそうでした。知識をなぞるだけではあるけれど、新しい言語を修得するような感動があります。今まで分からなかったラベルや記事やお話が、たった数か月の勉強で理解できるようになる喜び。詰め込みでも効果ありますよ。

翻訳を仕事にしているので、何でも詳しいものがあれば得!という欲もありました (名刺に書ける!うれしい)。

あとは、アカデミー・デュ・ヴァンのSTEP 1と2の担当だった下川広司先生から、「受験に向いてる」と再三言われ、「そ、そうかな?」と刷り込まれていった...というのも少なからず影響してる (笑)。いや、やってみたらそんなに向いてなかったんだけどね。暗記力なかったし、メンタル弱いし。(今回も、先生にはすごくお世話になりました。STEP 1 & 2では理路整然とした論理的な説明と作り込んだ授業で基礎を作っていただいたし、めちゃくちゃ感謝してます)

自分の内面や資質と改めて向き合ういい機会にもなりました。私、本当に精神的に弱いのな、と実感。

追い込まれているときに励みになったのが、受験クラスの担当講師、紫貴あき先生の言葉。特に、2次試験の前に生徒に送ってくれた「合格する人とそうでない人にはほとんど「能力の差」がないということに気付かされます。ただ、ひとつ言えることは、どれだけ「合格に執着しているか」、それは明らかな差としてあり、それが結果につながるということです」という言葉は、最後まで心の支えでした。もちろん授業でも、紫貴先生の研究熱心で、真摯にワインに向き合う姿勢は、さすが受験のプロであり、日本で今一番人気があるワイン講師と言われる所以なのだろうなと敬服。1つのことを追い求める圧倒的なプロの姿を見られるというのは幸せなことでした。

この試験って、例えて言えば、TOEIC 850~900点くらいのイメージかな。専門外の人から見たらハードル高そうで、実際トライしても低くはない。でも、語学のプロとしてやっていこうとするとまったく不十分で、スタート地点に過ぎないレベル。
(最大の違いは、TOEICは年数回チャレンジできるし、不合格がないってことか)

そう考えると、これからまだまだ先は長い...。お酒は楽しまなきゃ意味ないけど、楽しいだけじゃなく、着実に能力を伸ばしていきたいと思っています。

長々、ダラダラと続けた試験の話はこれでおしまいにします。お見苦しい点が多々ありましたことをお許しください。
次回から、通常営業にもどります。

2014年10月5日日曜日

ワインエキスパート試験のあれこれ 5: お金のこと

ワインに限らず、趣味とは、とかくお金がかかるもの。(言い訳)

今後、ワインエキスパート試験を目指す人の参考になればと思って、自分が試験準備に使った額を淡々と書いていきます (「淡々と」と書いて自己暗示をかけないと、おそらく卒倒する)。あくまで個人の出費であり、これだけお金をかけないと受からない、逆にお金をかけたから受かるという意味ではありません。

試験の申し込み: 25,200円
まずはこれ。電話帳みたいに分厚い教本とDVDが送られてきます。

スクール受講料: 156,000円
「私の趣味はスクール通いです」と言えるほど各種スクールが大好きな私。もちろん受験講座にも通いました。私が通ったのは、その前からお世話になっているアカデミー・デュ・ヴァン。週1回、2時間の授業で、内容は、1次試験対策が 2/3、テイスティング 1/3というところでしょうか。

ちなみに、1次試験は独学で受かる人も結構いるので、スクール通いは必須ではありません。

私がはっきり想定していたのはここまで。
あと、2次試験対策でちょっとだけ講座に通うくらいにしか考えていませんでした。ブラインドテイスティングくらい何とかなるさーと、ゆるくとらえていたんですよね。でも、そんな簡単にいくほどの実力はございませんでした。

ここからだんだん動悸が激しくなります☆

2次試験対策講座: 1コマ 5400円 × 6コマ = 32,400円
デュ・ヴァンがさまざまなテーマを設けて、1次試験後から2次試験前日まで開催していたテイスティング講座。1コマ、1時間20分。自分のテイスティング力に対する不安がピークだった私は、基本の仏品種、淡い赤品種、濃い赤品種、酒精強化、トライアル (2コマ) の計6コマを受講。

毎日5コマくらいスケジュールが組まれていました。外部の人も受講可能ですが、受講料がちょっと高くなります。

スティルワイン以外の飲み物試飲会: 21,600円
アカデミー・デュ・ヴァンの先輩が経営されているお店にて、試飲会に参加しました。
ハズした私が言うのも何なんですが、ワイン以外の飲み物の練習をハナから捨ててはいけません。どこかで講座を受けるなど、対策を取られることをおすすめします。

自宅練習用ワイン購入
アカデミー・デュ・ヴァン: 15,000円 × 2 = 30,000円
基本品種と新旧産地を組み合わせて、ハーフボトルで8本セットにしたもの。赤と白を1セットずつ。これでテイスティングの練習と「うがい」 (起き抜けに、ワインでクチュクチュとうがいをするのです...) をやりました。うがいは、品種の特徴を叩き込むのにとても効果があったと思っています。

オンラインショップで買い足し: 11,000円 × 2 = 22,000円 (概算)
ハーフボトルだけでは足りない品種、強化したい品種を買い足し。

よくもこんなに...
ほとんどすべて排水口に流れていった(泣)
テイスティング勉強会: 6,000円
仲間の家でのテイスティング会に参加させてもらいました。実費。

ほかにも、いろいろなワインバーで受験生のためのテイスティングメニューが提供されたり、イベントが催されていました。私は都心からは遠いので参加できませんでしたが、そういう催しに寄って帰る会社員の方も多かった模様。

前泊: 5,000円
2次試験は朝からだったのですが、どうしてもラッシュに耐えられる自信がなく、試験会場近くの安いビジネスホテルに宿泊。

準備ではないけど、試験に合格したら必要な費用も足しておきます。
ソムリエ協会へのみかじ...認定登録料: 約20,000円
ブドウバッジもらえる!もらいますとも!

合計: 318,200円

分かってはいたものの、途中で電卓を押す指が震えました....。
こちらで受験者数を見ると、巨大な市場とは言えないまでも、やっぱり受験産業ですよねー、これ。ソムリエ協会を頂点に、学校や巷のワインバーまで巻き込む商圏が形成されています。見事に乗っちゃった感ある。




こんなにお金かけて、この先に元が取れるんですか?という神の声が聞こえてくるのですが、人生を豊かにするための資格なので、それは考え方次第 (=取れない)。


いやー、これから自分の人生を豊かにしていきますわ!


.....と言う前に、貯金も底をつきつつあり、来年から経済的にちゃんと生きていけるんだろうか...私よ....。そろそろマジメに仕事のことも考えなきゃ

そして、書かなくても想像がつくと思いますが、このほかに受験生同士の飲み会やら打ち上げで数万円使ってますはい....

ワインエキスパート試験のあれこれ 4: 通知きました

飲んで、すっごくご機嫌に帰ってきたら、合格通知が届いていました。


さすがに感極まったんですが、「合格おめでとう」もそこそこに金の話かよーー!という、文面後半の "都合のいい女" 扱いで正気に戻る。

というわけで、次回はお金について書きます。

P.S. ツイッターやLINEでお祝いのメッセージをくださった方、どうもありがとうございました。私ったらほんとに幸せ者!