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2015年6月25日木曜日

WSET Level 3 (2): 栽培環境 (The Growing Environment) その2

続きです。

Precipitation
「降雨量」、「降水量」の意。
ブドウ栽培に適した年間降雨量は500~900mm (受験では「ん雨水」という語呂合わせで覚えます(笑) )。

ちなみに東京は年平均1500mm程度。日本のワイン産地は、山形と山梨が約1100、長野と北海道が約850で、やはり日本の中でも雨が少ない。でも、ダントツ1位の宮崎(約2800)、2位の熊本(約2300)でもおいしいワインが造られているのです。雨なんてどうやって防げばいいのやら。相当のご苦労があるのだろうな...。
(数字は気象庁のデータを基にしたというこちらを参照しています)

Irrigation
「灌漑(かんがい)」
ブドウは乾燥した土地を好みますが、限度があります。

アメリカ・ワシントン州のワインについて調べたときに、灌漑について具体的なことを初めて知りました。ワシントン州の内陸部は年間200mm程度しか雨が降らないカラッカラな土地なので、灌漑が必要なんですね。今はDrip Irrigation (点滴灌漑)で、「スプーン1杯」みたいな微妙な水分量でも制御可能。

WSETのテキストによると、点滴灌漑は、木1本1本にドリッパーが備えられ、コンピュータ制御で理想の水分量が保てるという、高価で高度な技術らしい。

ちなみに、伝統的な産地では、(昔の名残からか)法律で灌漑が禁止されています。

Terroir
「テロワール」は英語でもテロワールなんですね。「テロワールが...」って言うとちょっと通っぽくはなりますが、ではテロワールとはいったい何なのか。テキストでは、ワインにその土地ならではという印象を与える環境上の要素全体を意味するとなっています。狭義では、一定の気象条件下の異なる土壌から生まれる違いを指すそうですが、もっと一般的には、畑の向き、斜面、気候、品種といった要素がからみ合って生み出す効果や影響を指します。私自身は「ブドウが育つ土壌・環境」くらいの理解です、はい。

Lees Stirring
Leesは「オリ」、Stirは「かき混ぜる」、つまりバトナージュ(bâtonage)のことかな?
オリって英語ではLeesって言うんだ。フランス語ではLieですね。シュールリーのLie。

わたくし、フランス語は全然ダメですが、日本でワインを勉強する場合、ワイン用語は大体フランス語です。

次回は、Vineyard Management (ブドウ畑の管理)に進みます。

2015年6月23日火曜日

WSET Level 3 (2): 栽培環境 (The Growing Environment) その1

いきなり挫折か...と自分でもうっすら思いつつ、息も絶え絶えな感じで第2章。

エキスパート受験では数字をさらっとなぞっただけのこの分野でしたが、WSETではかなり詳しく書いてあって読み応えがあります。

まとめなどはせずに、気になる用語をメモ。

Diurnal range
diurnalは「1日の」「毎日の」という意味だけど、diurnal rangeとは、the temperature difference between day and night、つまり昼夜の寒暖差のこと。

Graft callus
Graftは接ぎ木。Callusはカルス。ブドウは接ぎ木をすることが多いのだが、接合部分の切りつけたところからできる癒合組織をカルスというらしい。(厳冬の場合、一番ダメージを受けやすいのがこの部分)

ブドウ畑中に置いてあって、春に霜が降りるときに点火するのがBurnerと書いてあって二度見してしまった。調べると、もちろんガスバーナーみたいなものではなく、石油ヒーターみたいなもの。

Aspect
ここで言うaspectとは、A slope's aspect affects the amount of sunlight it receives とあるので、「向き」とか「面」てこと。斜面大事。

その2に続きます。たぶん。

2015年6月3日水曜日

Nasu Wine Kuroiso Shimotsuke

最近よくお邪魔するワインバーのマスターがおすすめしていたNasu Wine。

Nasu Wineを造る渡邊葡萄園醸造の4代目当主はボルドーで修行されていたことから、ボルドーブレンドが良いらしい。そんなわけで、同ワイナリーのトップキュヴェであるボルドーブレンドを購入。しかし、それだけじゃもったいないなー、そんなに素晴らしいワイナリーであればきっとマスカットベーリーAも期待できるんだろうと思ってこちらも買いました。

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Nasu Wine Kuroiso Shimotsuke
産地: 栃木県
生産者: Watanabe Vineyard (渡邊葡萄園醸造)
ヴィンテージ:  2012
品種: マスカットベーリーA 100%
アルコール度数: 13%
価格: 2392円
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色はちょっとくすんだガーネット。香りは、ラズベリー、イチゴ、ザクロ、アニス、ハーブ、ドライフラワーかな。フォクシーフレーバーは控えめな気がします。

驚いたのはその味。日本の黒ブドウ品種であるマスカットベーリーAは、甘くなくても甘ったるい感じで、個人的にはおいしいと感じるものには正直あまり出会っておりません。樽やタンニンがきっちりついていて、どっしりとしている場合に「おお!」と思うことはありますが。

「ボルドー系がおすすめ」というイメージから、そのような味を想像していたのですが、むしろ樽やタンニンには頼っていない、果実味と酸味をしっかり生かした上品なMBAでした。でも軽くはない。いいな、これ。赤ワインだけど、少し冷やして飲むのがおすすめ。

ボルドーブレンドも飲むのが楽しみ!