昨日、日本ソムリエ協会の呼称資格 (ソムリエ、ワインアドバイザー、ワインエキスパート) 認定試験の2次試験が行われました。ワインエキスパートの2次はテイスティングです。
放心状態だったのが段々落ち着いてきたので、覚えているうちに感情面について書いておこうと思います。
(受験テクや勉強法については書いている人がいっぱいいるので、あえて詳しく書きません)
1年に1度しかチャンスが巡ってこない試験というのは、ただの趣味の資格とも言えるワインエキスパートでも異様な緊張感を感じます。
緊張するなというほうが無理です。
1次試験では直前の1週間で極度に緊張し、「落ちたらどうしよう」と考えるあまり、疲れきってしまいました。
2次試験ではその教訓から、メンタル面で負けないように心がけていました。1次試験から2次試験までの時間は1か月弱。現実的に考えて、こんな短い期間でテイスティング能力がググっと上がるわけもない。だとすると、メンタルで自分に勝てるかどうかが重要になってくる。
一度テイスティングで、ロワールのソーヴィニヨンブランをアルザスのリースリングと間違えたことがあって、ソーヴィニヨンブランの青臭さを嗅ぎ分けることに絶対の自信を持っていた私のショックと言ったら....。でもこのおかげで、更にロワールのソーヴィニヨンブランを1本買い足し、徹底的に練習することができました。痛恨のミスや衝撃的な間違いも試験前であれば、深く落ち込まない。
自分の記憶力のなさや要領の悪さとも向き合う必要がありました。自分へのガッカリ感半端ない。今更こういうどうしようもない資質のなさを突きつけられて心が折れそうになるわけですが、バカな自分とも折り合いをつけてボチボチやっていくしかない。そもそも何に対しても、才能なんてあった試しがないのだから。
スクールで受験テクニック以外で言われるのは、「本番で何が起こっても動じないように」ということ。えーっ、どうしたら (電車で悪臭漂わせる人が密着したり、変な人が隣の席だったり、前の人が飲み物こぼしたりしても) 動じずにいられるのよーーっと言いたくなるけど、これも自分への暗示という練習をすれば、ずいぶん違います。
どれもこれも、自分に必死に言い聞かせている感が痛々しいとはうっすら気づいているものの、こうやってわざとらしくも刷り込んでいくと、徐々に身になっていくことも感じていました。翻訳の仕事で何年もかかって無意識に積み上げてきたプロセスを一気に意識的に体験していくような、何年もの積み重ねがあって自然に口から出てくる意見をセリフとしてしゃべるような、そんな興味深いプロセスではありました。
試験前夜には、応援してくれた人たちのことを思い返し、本当に感謝の気持ちでいっぱいに。私って幸せ者だわーと思いながら、夜道を歩いておりました。
(長くなったので、本番については次に持ち越し)
0 件のコメント:
コメントを投稿