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2014年12月3日水曜日

ルーマニアの美女たちと土着品種

先日、ルーマニアワインを飲む会に参加してきました。ルーマニアというと、チャウシェスクが失脚後に薄暗い部屋でカメラに向かって文句を言っているシーンを覚えている世代なんだけど、ああいう陰気なイメージとは違って、(すごく大雑把に言うと) ラテン系の明るい国民性だそう。魔女もいるらしい。ワイン生産国としては、受験のときにちらっと見ただけでまったく知識がない国でした。しかし、ルーマニアのワイン生産量は世界12位だそうで、結構な量です。ただし大半が国内消費。


 


ルーマニアの土着品種は、「乙女」と「熟女」がポイント。
写真でも美女ぞろい。左から:

1. スパークリング: 品種不明。瓶内二次発酵。個人的には、泡の持続性がやや短い気がした。個体差なのかな?
2. フェテアスカアルバ (白): 「白い乙女」の意。この指紋デザインのアルバ子ちゃんは樽の香りも重くない。
3. フェテアスカレガーラ (白): 「王家の乙女」の意。白い花の香りがして、芳香性が高い。さすが王家は上品だなと思ったら、あとから少し野性的な香りがしてほくそ笑む。1200円程度なので、CP良すぎる王女様。
4. ピノノワール: どこでもピノに挑戦してみたいものなのだなー。
5. フェテアスカネアグラ (赤): 「黒い乙女」の意。タンニンもほどほどでまろやか。
6. バベアスカネアグラ (赤): 「黒い熟女」の意。このGLIAというワインが一番おいしかったのです。美魔女。
7. グラサ: グラサデコトナリという貴腐ワイン。「ワインの女王」だそうです。やはりトリはこうでなくっちゃという大物。ただし、抜栓するとき固めたロウが飛び散るので注意。

これまで土着品種ってあんまり心に響いてこなかった。おそらく、受験で暗記が辛かったネガティブフィーリングの矛先が、ややこしい無限の固有品種に向かったんだと思う (イタリアとか)。ワインの面白味はその風土と歴史に負うところが大きいから、飲んでみると楽しいんだな。

あとは、「なぜそれを飲むのか?」に答えがでるかどうか。この間、アルゼンチンを代表する品種であるマルベックを飲みました。マルベックはフランスから持ち込まれた品種だから土着ではないんだけど、現代のフランスでは淘汰されてあまり造られていない。でも、アルゼンチンでは風土と食生活にマッチして、瞬く間に国を代表する品種となりました。たしかに酸味も渋みもほどほどなのにしっかりしていて、かつ飲みやすい。牛肉に合いそう。

しかし。家で肉を食べない私には、これだったらカベルネソーヴィニヨンかシラーでいいよな?という思いが捨てきれない。要は今の自分の中で存在感が生まれなかった。

チリのカルメネールという品種も最近飲んだのだけど、こちらはもっと複雑で魅惑的だった。

ルーマニアの "美女たち" はどうかというと、白は可憐、赤は奔放なイメージ (個人の感想です)。特に赤は重厚感はないけれど果実味とスパイシーさが複雑な性格を形成していて、もう一回会いたいなーと思わせます。GLIA、また飲みたいなー。

(ワイン会を企画・運営してくださった方々、どうもありがとうございました!)